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星団ωケンタウリにおける中間質量ブラックホールの強力な証拠

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© ESA/Hubble & NASA, M. Häberle (MPIA)

科学者たちは、ωケンタウリと呼ばれる星団の中心近くに、七つの高速で動く星を発見しました。この星団は、私たちの銀河、つまり天の川の中で最も大きなものの一つです。これらの星は予想以上に速く動いており、その速度は非常に重いブラックホールの存在によってのみ説明できます。

ブラックホールは、重力が非常に強いため、光さえも逃げることができない空間の領域です。ブラックホールは、私たちの太陽の質量の約5倍の小型のものから、銀河の中心に見られる超巨大ブラックホールまで、さまざまなサイズがあります。しかし、これらのサイズの中間に位置する中間質量ブラックホールを見つけることは難しいとされています。この発見は、約8200倍の質量を持つこのようなブラックホールがωケンタウリに存在する強力な証拠を提供します。

科学者たちは、20年以上にわたって撮影されたハッブル宇宙望遠鏡の画像を使用して、星団内の星の動きを追跡しました。彼らはこれらの七つの星が他の星たちよりもずっと速く動いていることに気付きました。星の速度と位置を測定することで、研究者たちは、近くに巨大なブラックホールがあり、これらの星を引き寄せて非常に速く動かしているに違いないと結論しました。

この発見は、超巨大ブラックホールがどのように形成されるのかを理解する手助けとなります。まるで宇宙に関する巨大なパズルの失われたピースを見つけるようなものです。科学者たちは、ωケンタウリを引き続き研究し、このブラックホールや、それが銀河やブラックホールの形成について何を教えてくれるかを学ぶつもりです。

Nature, 2024; doi: 10.1038/s41586-024-07511-z